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ローの「隠し名 」「忌み名」から考える空白の100年

 

はじめに

 なんとなく漫画『ONE PIECE』に登場する海賊「トラファルガー・ロー」の本名をもとに考察という名の妄想をしたので,正解が出る前に残しておくためここに書いていきたいと思います。

 『ONE PIECE』に関しては「にわか」というポジションです。あくまで軽い情報しか知らない人間の戯言だと思って読んで下さい。

ローのフルネーム

 ローは「トラファルガー・ロー」と名乗っています。しかしフルネームは「トラファルガー・D・ワーテル・ロー」です。彼曰く「D」は隠し名,「ワーテル」は忌み名で,その2つの部分は伏せています。

 

「隠し名」と「忌み名」の確認

 この単語が作中に登場したとき,間違いがあってはいけないと思い,辞書で意味を調べました。

 

隠し名……本名を人に知られないようにするために別につけた名。変名。(広辞苑より)

  隠し名というと分かりにくいですが,ハリーポッターシリーズの作家,J・K・ローリングさんのように名前のイニシャルのみを表記しているのも隠し名の一種です。

 

忌み名……①貴人の生前の実名。②死後,生前の行状によって贈る称号。③貴人の実名の敬称。(旺文社古語辞典より)

 ①もほぼ同じではありますが,生きている人間に対しての忌み名は③しかありません。

 

 

隠し名をさらに隠している

 「D」が隠し名というのはそのままの意味で,「D」から始まる言葉を伏せているということです。なのでローが他のDの一族と違うのは,「「D」は隠し名である」という情報ではなく「隠し名をさらに隠している」ということなのです。

 

「D」とはなにか

 Dの一族は基本的に「D」を隠していません。そしてほとんどの人を世界政府は放置しています。それはONE PIECEの世界においてミドルネームが珍しいものではなく,さらにミドルネームをイニシャルで表記する人も普通であるということだと思います。

 ただロジャーやルフィがDの一族であることを世界政府が隠そうとしているのは,ONE PIECEの世界の住人がDの一族を意識しないようにするためなのではないでしょうか。白ひげのようにDの一族について興味を持つと,自然と空白の100年に行き着いてしまいますから。

 「D」自体が隠し名なので,偶然全員がDから始まるミドルネームというよりは,昔滅んだ巨大な王国の名前をミドルネームにしたという方がしっくりきます。しかしミドルネームをイニシャルで隠す文化があったとしても,敗戦国の人間が複数人も国の名前のイニシャルである「D」を名乗っていたら,粛清とまではいかなくても規制すると思います。なので世界政府と巨大な王国の構図が逆なのではないでしょうか。

 

世界政府と巨大な王国と歴史

 20の連合国VS巨大な王国で戦争が起こった結果,20の連合国が勝ち世界政府ができたという歴史になっています。しかし実際は巨大な王国の方が勝ち,そして20の連合国の歴史を乗っ取ったのではないでしょうか。戦争の際に巨大な王国が人質として確保した20の連合国の王族を天竜人として扱うことで民たちの反乱の理由を潰し,そして天竜人自体には隔離した環境で洗脳教育を施し,ゆっくりと自分たちが敗戦国の人間ではなく勝戦国の人間であると思わせるようにしていき,歴史の塗り替えを行ったのでしょう。その塗り替え期間が空白の100年なのです。

 ネフェルタリ家は天竜人になるのを拒んだ裏切り者で,世界政府が危険視している存在ですが,本当に20の連合国が勝ったのであれば古代兵器プルトンについての歴史の本文を秘蔵する必要はありません。しかし敗戦国側だったらその行動にも納得できます。遠い彼方の記憶で確証はないのですが,ネフェルタリ家は秘蔵はしていてもその理由等は知らなかったはずです。敢えて詳しい情報を継承しないことで世界政府から身を守る選択をネフェルタリ家は取ったのかもしれません。

悪魔の実について

 悪魔の実は巨大な王国が作ったものだということが前提で話を進めますが,人造で悪魔の実がほぼ再現できているのですから,悪魔の実は悪魔が気まぐれにおいて行ったものではないです。ではなぜ「悪魔の実」という名称なのでしょうか。どう考えても内情を知らない人間が付けたものです。悪魔の実」という名前が付けられていることから,「悪魔」という概念がONE PIECEの世界にあることが分かります。そして悪魔の実ONE PIECEの世界において唯一理屈が分からないものです。つまり何か分からないもの=悪魔によるものだという,日本における妖怪のような考えで付けられた名前でしょう。ならば巨大な王国ではなく負けた20の国の人々がそう表現したと考えるのが自然でしょう。つまり悪魔の実を食べた兵士たちvs非能力者たちの戦争になったわけです。

   その構図で巨大な王国と20の連合国のどちらが勝ったか想像してみてください。巨大な王国が勝ったと思いませんか?戦争が地上戦だった場合,巨大な王国が蹂躙する形になったでしょう。弱点の海もない場所で圧倒的な力でねじ伏せたことでしょう。これで世界政府が巨大な王国によって作られた説にも説得力が増した気がします。

 

Dの一族は巨大な王国の出身

 Dの一族は巨大な王国の出身ですが,巨大な王国の方針に反発し自分たちの国を裏切り,敵側に着いたが負け,歴史を取り戻す仲間の証として共通のミドルネームを持つことにし,巨大な王国の名前を採用し隠し名とすることで,「隠すべき名前」という扱いにしたのではないでしょうか。もし王国側から「D」について追及されたとしても,「王国が大好きだから入れました」と言えば乗り切れます。しかしDの一族は「D」の意味を知りません。これはネフェルタリ家と同じように,敢えて意味を子孫に継承しないことで身を守ることにしたのでしょう。

 

隠し名をなぜ隠すのか

 忌み名の説明通りならばローは位の高い人間です。巨大な王国の王族の中にも裏切った人間がいて,それがローの先祖なのではないでしょうか。そして裏切った人間たちの共通の隠し名「D」を,王族以外は堂々と名乗り王族は隠し名を隠すことで,裏切った王族の居場所を王国側に感づかせないようにしているのであれば,ローが隠し名を隠すという不思議なことになっているのも納得できます。ローの家系だけが代々何かをしているようですが,その「何か」はその情報の継承でしょう。誰かはきちんと情報を継承していないといけません。その継承する家系にDの一族の中で一番位が高い王族が選ばれるのも自然です。

 

忌み名も隠す理由

 ローは「トラファルガー」が名字で「ロー」が名前という認識のされ方をしていますが,一般的に「ロー」は名字です。「トラファルガー」という名字が実際にあるのかはわかりませんが,「ロー」が名字なのは間違いありません。つまり「トラファルガー・ロー」の中に個人を指す名前が入っていないのです。

 ではローの名前は何でしょう。忌み名である「ワーテル」です。忌み名と表現されているのでローは位の高い人間だと思いますが,普通に名前を名乗っても位の高い人間だとは思いません。なぜ名前を隠すのでしょうか。それは名前を知られると呪いで縛られるからではないでしょうか。
    呪いというと胡散臭くなりますが,名前はその人物の魂そのものであり,名前を知られる=魂を握られるという発想が,昔から日本にはありました。ローはパンクハザードでシーザーに心臓を握られて,行動が制限されていました。同じような展開が名前でも繰り広げられるかもしれません。それを防ぐために「ロー」が名前のように思わせるような名乗り方をし,名前の存在自体を隠しているのでしょう。

 

「ワーテル」という名前の意味

 「ワーテル」はゲルマン語で水を意味する言葉です。悪魔の実に相対するものですね。巨大な王国の名前を隠し名にするのと同じ考えで,ローの名前も「お前たちの弱点は知っているぞ」という王国へのメッセージになっているのではないでしょうか。

 そして今ハートの海賊団と黒ひげ海賊団が戦っていますが,私の想像する20の連合国と巨大な王国との戦争と同じ構図になっています。しかし昔は分からなかった悪魔の実の弱点を非能力者側は把握しているのですから,昔とは違う展開になりそうです。場所も海上ですしね!

 

最後に

 ローの名前を起点に,アレコレ妄想したものを無理やり考察という体にしましたが,楽しんでいただけたら嬉しいです。書きながら更に妄想を繰り返していたため,そんなに長い文章でもないのに書きあげるのに数日かかりました。本当は「ワーテル」と古代兵器を結びつけたかったのですが,ウラヌスと結びつけられず断念しました。にわかでさえこんな感じで楽しいのだから,マニアの方はもっといろいろな観点から考えて楽しんでいるのでしょう。『ONE PIECE』は奥が深いですね……